『世界一ハッピーなにわとりの生むたまご』を作ろうとしている松本さん(写真中央)。それって、『世界一ハッピーなにわとり』を育てようとしているということですよね。
そもそも『にわとりの幸せ』って何なんだろう? ということで、さっそく聞いてみましょう!
にわとりの幸せって何ですか?
松本さん「それは、にわとりさんがストレスなく過ごせることだと思います」
ーー松本養鶏場ではどうやって飼っているのですか?
松本さん「松本養鶏場では『世界一ハッピーなにわとり』を目指して、2019年9月から平飼いに取り組み始めました。今、試験的に40羽のにわとりさんを平飼いしています」
ーー『にわとりさん』ってさん付けなところに、松本さんのにわとりへの愛を感じますね。ところで、平飼いって何ですか?
松本さん「地面ににわとりさんを放して飼うことを、平飼いといいます。対して、にわとりさんを何段にも積み重ねられた檻(ケージ)に入れて飼うことをケージ飼いといいます。
ケージ飼いはにわとりさんが閉じ込められて自由に歩くことができませんが、平飼いでは好きに歩き回れるのです」
ーー今、松本養鶏場には全部で何羽のにわとりがいるのですか?
松本さん「全体で1万羽くらいいます。今のところはほとんどがケージ飼いです」
ーー今は両方のやり方をしているのですね。ケージ飼いと平飼いの違いって、実際どんな感じですか?
松本さん「例えばですが、鳴き声が違います。
ケージで飼っている鶏は時折”クワー!”と大きな声で鳴きます。
同じケージの鶏と喧嘩している時、なにかびっくりしたときなど
ストレスを感じると大きな声で騒がしくするんですが、
平飼いの鶏だと常に”こーこーこー”と、
あまり大きな声では鳴かないんですよね。
ストレスがかかっていない証拠です。
そして平飼いのにわとりさんはよく動いています。にわとりは砂遊びが大好きなんですよ。
今、もみ殻を敷いたところで平飼いをしていて、にわとりが自由に歩き回ったり、もみ殻にうずくまったり、くちばしで掘って遊んだりしています。
もっと多くのにわとりを平飼いできるようにビニールハウスを建てて、ケージ飼いから変えていこうとしています」
ーー養鶏場のにわとりは、ヒヨコから育てるのですか?
松本さん「受精卵を温めてヒヨコを孵化させる孵卵場というところからヒヨコを買ってきて、養鶏場で育てます」
ーーオスとメス両方いるのですか?
松本さん「養鶏場のにわとりさんは、メスだけです。オスがいなくてもたまごが生めるんです」
ーー平飼いにすると、にわとりさんだけじゃなくわたしたちにも良いことがあるんですか?
松本さん「にわとりさんのストレスが減って、健康になります。そんな健康なにわとりの生むたまごは『健康なたまご』になります。おじいちゃんおばあちゃんから小さなこどもまで、家族みんなが安心して食べられる、安全でおいしいたまごになるんです。
将来的には、すべて平飼いにしたいです。世界一ハッピーなにわとりを目指していますから。」
松本さんのお話からは、にわとりさんを尊重していることがよく伝わってきて、なんだかこちらまでにわとりさんへのリスペクトが湧いてきました。にわとりさん、いつもたまごをありがとうー!